世界の自動化ツールシーンをリードする3大プラットフォーム「Zapier」「Make」「Power Automate」についてご紹介します。これらのツールは、それぞれ自社の自動化ニーズに最適なソリューションを提供しています。本記事では、Zapier vs Make vs Power Automate の観点から各プラットフォームの特徴や違いを詳しく比較し、あなたの業務やビジネスにもっとも合った自動化ツール選びをサポートします。
Zapierとは?
2011年設立の Zapier は、複数のアプリケーションとノーコードで連携できる自動化プラットフォームです。このツールは世界中の何千ものユーザーに利用されており、手軽な操作性でニーズに応えています。
Makeとは?
Make(旧Integromat)は、直感的な操作で複雑なワークフローもノーコードで自動化できる、次世代型の自動化ツールです。
Power Automateとは?
Microsoftの Power Automate(旧Microsoft Flow)は、OutlookやExcel、Dynamics 365などのMicrosoftアプリケーションと連携するワークフローの自動化を実現します。
Zapier、Make、Power Automateの主な違い
この3つの自動化ツールはどれも優秀ですが、得意分野や機能が異なります。それぞれの強みと主な違いを比較し、自社ニーズに合うものを探しましょう。

Zapier、Make、Power Automateの料金比較
ZapierとMakeは無料プランがありますが、内容が異なります。
Zapierの無料プラン
- 月間100タスク
- Zap数は無制限
有料プランは月額$19.99からで、追加タスクやマルチステップZapなどが利用可能に。チームプランは月額$69。大規模向けのエンタープライズプランもあります。
Makeの無料プラン
- 月間1000オペレーション
- ユーザー数制限なし
- リアルタイム実行可能
より多くのシナリオやAPIエンドポイントを導入したい場合は、月額$9〜$29の有料プランを選択。エンタープライズ向けには1000APIエンドポイントや広範囲なアプリ連携も用意しています。
料金体系全般でみると、Makeは柔軟性と機能の豊富さが魅力です。有料プランでもコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。
Power Automate無料プラン
Microsoft Power Automate DesktopはWindows 10ユーザー向けに無料提供。主なプランは以下の通りです:
- パーユーザー ライセンス:月額$15、フロー数無制限・1日5000APIリクエスト
- エンタープライズ向け:月額$215の上位プランもあり
ワークフロー自動化機能の比較
各自動化プラットフォームは独自の強みを発揮しています。Zapierは7,000を超えるアプリと統合し、Makeはノーコードで複雑な自動化も実現、Power AutomateはMicrosoftアプリとの強力な連携が特徴です。主要な機能は以下の通りです。
Zapierの主な特徴
- 7,000種類以上のアプリケーションと統合(2024年6月時点)
- マルチステップZap(有料で利用可能)
- ポイント&クリックで編集可能なエディター
- 条件分岐ロジック
- データフォーマット機能あり
Makeの主な特徴
- ドラッグ&ドロップで複雑なワークフローも構築可能
- 1,200を超えるアプリケーションと接続
- 3,000種類超の自動化テンプレートを活用可能
Power Automateの主な特徴
- 主要なMicrosoftアプリケーションと連携
- 数百のサードパーティアプリにも対応
- マルチステップワークフロー、承認フロー、条件付き分岐対応
- 大企業や組織規模の自動化に最適
Zapier、Make、Power Automateの使い方や仕組み
Zapierは業界最多クラスの統合数を誇り、300万人以上のユーザー数を持ちます。

Zapierの仕組み

Zapierは「トリガー」「アクション」「Zap」といった要素が組み合わさり、ワークフロー(Zap)を作成します。ポイント&クリックの直感的なインターフェースで、自動化を簡単に構築可能です。

注意点:Zapierは極端に複雑で多数ステップのあるワークフローにはやや不向きな場合があります。
Makeの仕組み

Makeでは、アプリ同士の「モジュール」と「接続」を自由に組み合わせてワークフロー(シナリオ)を作ります。自動化テンプレートも豊富で、ドラッグ&ドロップで操作可能。APIブロックやモジュール追加によって複雑な処理も柔軟に対応できます。
Makeに未対応アプリがある場合でも、API連携リクエストが可能です。
注意点:自動化に慣れていない場合、最初はやや学習が必要です。
Power Automateの仕組み
Power Automateでも各種プリセットテンプレートが用意されており、主なフローは下記の3つに分類されます:
- 自動化フロー
- スケジュールフロー
- ボタンフロー
Power Automateは「コネクター」で他のアプリケーションとも連携可能。MailchimpやDynamics CRMなどの多数アプリと接続可能ですが、一部のコネクターはプレミアムプラン限定です。
普段からMicrosoft製品利用が多い方には、データ転送や自動化を管理するのに最適なプラットフォームです。カスタムコネクター作成も可能です。

注意点:フロー作成時に途中のステップの並べ替えや移動ができないため、開始から終了まで一貫して設計が必要となります。
Zapier vs Make vs Power Automate: 評価とレビュー
3サービスのG2上での評価は以下の通りです。
Zapier: 9.0/10
Make: 9.3/10
Power Automate: 8.9/10
いずれも高く評価されており、とくにPower Automateは大規模業務や特殊なニーズにも評価が集まっています。
まとめ:Zapier vs Make vs Power Automate
Zapier | Make | Power Automate | |
---|---|---|---|
主な市場 | 小規模ビジネス | 中小企業 | 大企業 |
価格 | 無料プラン 有料:$19.99-$599 |
無料プラン 有料:$9-$29 |
無料トライアル |
統合アプリ数 | 7,000以上 | 1,200以上 | 550 |
セットアップ方法 | 最もシンプル | 直感的、複雑な自動化も自在 | 慣れると使いやすい |
API対応 | あり | あり | あり |
サポート/研修 | ドキュメント / メール・ヘルプデスク | ドキュメント / メール・ヘルプデスク | ドキュメント / フォーラム |
ユーザー評価 | 9.0/10 | 9.3/10 | 8.9/10 |
ParseurのZapier、Make、Power Automate連携
Parseurは、これら3大自動化ツールすべてと柔軟に連携するAIパーサーです。不動産や求人、飲食、小売など業界別用途に応じたデータ抽出ができ、抽出データをZapier、Make、Power Automate経由で希望のアプリに転送可能です。
パース済みメールデータをZapierに送信
ZapierはParseurユーザーが最も活用するノーコード自動化サービスの一つ。Parseurでエクスポート先アプリを選択するだけで、Zapierに自動連携されます。

Parseur + Zapierのワークフロー例:
- メールからAirtable新規レコードの自動作成
- ParseurデータでGmailからメール送信
- 抽出データをExcelシートに追記

抽出データをMakeへ送信
Make経由により、Parseurのデータをワークフロー内で様々な用途に活かせます。
- Notionデータベースに新規アイテム作成
- Googleスプレッドシートに注文データ送信
- CRMへのリード情報登録
Parseurのメールボックスから「エクスポート→Make→新しいシナリオ」クリックだけで、ダッシュボードからParseurをトリガーモジュールに設定できます。

ドキュメントからデータを抽出しPower Automateへ送信
Microsoft製品へのデータ転送なら、Power Automateが最適。ParseurはPower Automate公式コネクターを用意しており、あらゆるMicrosoftサービスと連携できます。典型的なシナリオ例:

どれが最適?Zapier、Make、Power Automateの選び方
それぞれの自動化ツールは明確な強みがあり、用途や組織規模で最適解が変わります。Zapierはシンプルで素早く導入したい方、Makeはノーコードで複雑な自動化を実現したい方、Power AutomateはMicrosoftとの統合を重視したい方に推奨されます。
どれが “一番良い” というよりも、重視したい機能や利用環境に応じて適切なツールを選ぶことが成功のポイントです。自社のユースケースに合った自動化プラットフォームの選択が、業務効率化と成長の鍵となります。
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