Making Tax DigitalではデジタルVAT記録保存が必須となり、請求書の自動化によって手作業の負担やコンプライアンスの手間を大きく削減できます。
主なポイント:
- Making Tax Digitalでは企業にデジタルVAT記録の維持と、MTD対応ソフトを使った申告が義務付けられています。
- 手動での請求書入力は管理負担を増大させ、ミスによるリスクやインボイス数の増加に伴うミス管理上の課題が発生します。
- Parseurは請求書データを自動抽出し、Xero、Sage、FreeAgent、QuickBooksなどのMTD対応会計ソフトと直接連携できます。
財務チームは毎月5~8時間、Xeroへ請求書データを手入力しています。請求書番号やサプライヤー名、VAT金額、総額などの作業が繰り返されます。
Making Tax Digitalのもとではこうした手入力作業も義務の一部ですが、取扱量が増えるほど非効率で持続困難です。
もし、サプライヤー請求書がメールを受信した時点でXeroへ手入力なしに連携できたらどうでしょう?
HMRCのルールでは、VAT記録をデジタルで保持し、Xero、Sage Business CloudやFreeAgentなどMTD対応ソフト経由で申告が必要です。個人事業主や家主にも2026年4月から所得税MTDが拡大されます。
多くの企業で課題となるのは、VAT申告自体よりも、その事前準備の業務です。
サプライヤー請求書は通常PDFでメール添付され、担当者がファイルをダウンロードし、会計ソフトを立ち上げ、請求書番号やサプライヤー名、VAT番号、請求日、税抜金額、VAT金額、総額などを繰り返し手入力します。
この作業が毎月50~100枚もの請求書に及べば、手入力だけで膨大な時間とリソースが消費されます。1件5~10分でも、財務担当者は毎月数時間のデータ入力が必要です。
さらに請求書の数が増えるほど管理も難しくなり、入力ミスやVAT金額の誤登録、重複伝票、記録漏れなどのミスが四半期ごとのVAT申告時に問題化します。
ここで「Making Tax Digital自動化」が重要になります。手作業での請求書転記をやめ、受信したメールから請求書データを自動抽出し、XeroやSage、FreeAgentなどMTD対応プラットフォームへ直接送れます。
その結果、手作業を減らし、正確なデジタル記録とHMRCの要件を満たす管理がしやすくなります。
Making Tax Digitalとは?
Making Tax Digital(MTD)は、英国の企業や個人事業主、家主がデジタルで税記録・報告を行うことを義務化するHMRCの政策です。
これまでの手間がかかるオンライン申告や、スプレッドシート・紙ベースの事務作業から、MTD対応ソフトを使った完全なデジタル記録・申告へと移行する流れです。
HMRCによると、 「今後はVAT記録をデジタルで保存し、MTD対応ソフトを通じてVAT申告を行うべきです」とされています。
VAT登録事業者には、Making Tax Digitalがすでに義務化されています。 例外を除き、旧来のHMRCオンラインVATアカウントからの申告はできなくなりました。さらに今後はVATだけでなく他税目にも対応範囲が広がる予定です。
Making Tax Digitalは、企業の日々の記録管理そのものを変える法律です。デジタルでVAT記録を保存、請求書情報を管理し、MTD対応会計ソフトを使用して電子的に税情報を申告、一貫したデジタルワークフローが求められます。
現状、多くの企業では今もPDF請求書をメール受信し、手入力で会計ソフトへ転記しているため、ミスや非効率が発生し、VAT申告期の負担が増大しています。
複数クライアントを管理する会計士や、CIS請求書を扱う建設・コントラクター、中小企業でも負荷は増す一方です。
Making Tax Digital automationを導入すれば、請求書データを自動抽出し、Xero、Sage Business Cloud、FreeAgent、QuickBooksといった会計ソフトに手間なく連携できます。
この「自動化」は、単なるペーパーレス化に留まらず、正確な記録維持と手入力削減、そしてHMRCコンプライアンス管理を全社的にしやすく変えます。
Making Tax DigitalのHMRC要件
Making Tax Digitalは推奨ではなく、すでに多くの英国企業にとって義務化されています。

MTDで重視されるのは、手作業による記録保存から、デジタル記録・税申告への完全移行です。運用プロセスの変化が避けられません。
VATのMTD対応
課税売上高が£90,000を超える事業者はVAT登録とHMRCへのVAT申告義務があります。
VATのMTDでは、取引のデジタル記録、MTD対応ソフトでの税申告、記録~申告までのデジタル連携、承認済みソフトからの直接申告が必須です。
完全な手作業や旧来のVAT申告方法のままでは対応できず、Xero、Sage Business Cloud、FreeAgent、QuickBooksなどHMRC互換会計プラットフォームの導入が重要です。
それでも多くの企業は、請求書のメール受信・PDF管理・手入力で煩雑な管理を続けています。
所得税のMTD対応
所得税もMaking Tax Digitalの義務対象となります。HMRC発表では、年間所得£50,000超の個人事業主や家主は2026年4月から、さらに£30,000超は2027年4月から段階的に対応義務化されます。
対象は個人事業主、自営業者、不動産貸主などセルフアセスメントを利用する方々です。今後は対応ソフトによる日々のデジタル記録と四半期ごとの収益・支出申告が必要となります。
小規模でも手作業のままではレポート頻度増加で大きな管理負担となるでしょう。
英国VAT率とインボイス正確性
VAT請求書の正確な区分・記録がMTD準拠には不可欠です。英国VAT率は標準20%、軽減5%、ゼロ0%、免税と分かれています。
VAT区分のミスは、申告時の大きなトラブルの原因に。大量請求書ではほんのわずかな入力ミスも後から追跡困難になり、監査の負担が増します。
CIS請求書と建設業
建設業ではConstruction Industry Scheme(CIS)による追加課題が発生します。コントラクターは下請け報酬支払い時に一定の税額(登録時20%、未登録時30%が一般)を差し引く義務があり、CIS請求書には総額、CIS控除額、控除後支払額が明記されます。
これらの控除データはHMRCへのCIS報告義務も関係するため、手作業では控除率ミスや記録ミスが発生しやすく、建設業界でも請求書自動化(MTDワークフロー)のニーズが高まっています。
MTD準拠請求書自動化の構築
多くの英国企業にとって、Making Tax Digitalで最大の課題は四半期のVAT申告より、それ以前のサプライヤー請求書管理の手間です。

Making Tax Digital automationなら、メールで届いた請求書から会計ソフト登録までの工程を自動化でき、手作業の転記が大幅に削減されます。
主なフローは、メール受信→自動データ抽出→会計ソフトへ送信→デジタルVAT記録更新→四半期申告の工程がシンプルになります。
以下の手順でMTD自動化ワークフローを構築します。
ステップ1: Parseurメールボックスの設定
まずParseurでメールボックスを作成し、異なるサプライヤーから送られた様々な形式の請求書サンプルを転送しましょう。
標準請求書だけでなく、複数ページPDF、スキャン、下請け(CIS)請求書、複数VATレートの請求書など、日々受信する全てのインボイス形式に対応できるよう構築します。請求書がParseurに届くと、主要項目が自動的に特定されます。
ステップ2: VAT請求書データの自動抽出
Parseurが請求書からサプライヤー名、VAT番号、請求書番号、請求日、税抜金額、VAT金額、VAT率、総額などの情報を直接抽出します。
英国のVAT請求書ではVAT区分の正確性が重要です。自動抽出は英国内の標準VAT番号(例:GB123456789)の認識や20%、5%、0%などのレート適用を正確に行います。
CIS請求書は総額・CIS控除率・控除額・控除後支払額の抽出が必要で、状態によって控除内容も変わるため自動化が効果的です。自動抽出で反復的な入力ミスや記録のばらつきも防げます。
ステップ3: 解析データを会計ソフトへ送信
抽出した請求書データは、そのままXero、Sage Business Cloud、FreeAgent、QuickBooksなどのMTD対応会計ソフトへ自動送信できます。
多くの企業ではZapier、Make、Microsoft Power Automateなど自動化ツールでワークフローをつないでいます。メール添付から会計記録までデータが自動的に転送され、手間が大幅に削減されます。
例えば、「サプライヤーからの請求書メール受信→Parseurでデータ抽出→ZapierやMakeでXeroへ送信→会計システムに反映→自動化されたVAT記録が維持される」といった流れです。行ごとの入力は不要となり、担当者は例外対応だけに集中できます。Parseurによる自動化ワークフロー10選も参考にしてください。
ステップ4: MTD準拠のデジタル記録維持
Making Tax Digitalで肝となる要件が、VAT申告と紐付いたデジタル記録の保持です。請求書データを自動抽出・会計ソフトに直結することで、インボイスの紛失や重複、VAT金額の誤記入や転記ミス、スプレッドシート間の混乱などが解消されます。
月間大量の請求書をさばく企業や、複数のMTDクライアントを持つ会計士、CIS控除対応が必要なコントラクターも、自動化により効率よく、高品質な管理が可能です。全ての作業が自動化されても最終的なレビューは必要ですが、「本当に必要な管理業務」だけに集中できる環境を作れます。
MTDコンプライアンス・チェックリスト
Making Tax Digitalへの準拠は四半期のVAT申告を行うだけでなく、組織的なデジタル記録、正確なインボイス管理、監査証跡の追跡なども必要です。
自社のプロセスがMTDの要件を満たしているか、次のチェックリストでご確認ください。
デジタル記録管理
- サプライヤー請求書をMTD対応ソフト上でデジタル保存
- PDFなど添付だけでなく、構造化データとして請求書内容も保管
- VAT金額は申告前に必ずレビュー
- CIS請求書は必要に応じて区別管理
- 請求日・サプライヤー名・VAT番号の一貫登録
MTD対応ソフトの活用
- Xero、Sage Business Cloud、FreeAgent、QuickBooksなどMTD対応ソフトを利用
- 会計ソフトをHMRCとデジタル連携し、VAT申告も電子化
- 請求書記録からVAT申告までデジタル連動
- スプレッドシート等の業務は最小限にとどめる
四半期VAT申告
- 全請求書を申告前に最新VAT計算へ反映
- VAT申告はMTD対応ソフトで電子送信
- HMRCからの送信確認も記録保管
- 締切前にVAT記録を適切にレビュー
監査証跡・追跡性
- 各請求書にタイムスタンプ/申告日付を明記
- オリジナル請求書ファイルも会計記録に添付保存
- メール添付からVAT申告までの流れが追える
- 変更・修正履歴も容易に参照可能
自動化プロセスの点検
- 毎週、請求書の自動処理状況を確認
- 毎月、抽出ミスやデータ漏れがないか点検
- VAT締切前は自動化ワークフローを事前チェック
- CIS控除やVAT区分の正確性維持も定期確認
手作業ゼロでMTDコンプライアンスを実現
Making Tax Digitalは「遠い未来のルール」ではありません。すでにVAT登録がある英国企業にはデジタル記録・MTD対応申告がHMRC要件となっています。2026年以降は所得税のMTD義務も段階的に加わり、従来の手作業管理を見直すべきタイミングです。
最大の課題は、請求書データの手入力管理がコスト増や非効率につながること。毎月何時間も手作業、VAT金額やCIS控除の入力ミス、申告直前のミス対応ストレス…。こうした悩みから脱却しましょう。
Making Tax Digital automationでは、メールで届いた請求書データを解析し、直接会計ソフトへ転送。XeroやSage Business Cloud、FreeAgent、QuickBooksで手入力ゼロ、サプライヤー情報やVAT額、請求日、CIS控除、合計金額まで自動抽出・記録されます。
これによりデジタル記録は常に整理され、MTDコンプライアンスの維持も容易です。
最終更新日



